生きているうちにお墓を立てるということ

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墓地を歩いていると、卓石の正面の墓名が朱色で塗られたものを見かけることもあります。

これはお墓に遺骨がまだ納められていないという意味です。

朱色はお祝いごとの色をあらわしていて、非常に墓場にそぐわない印象を受けると思います。

このような墓の立て方を生前墓、「寿陵(じゅりょう)」と言います。

寿は長命、陵は天皇の墓所? という意味があり、生前に墓を建てるということは、死んで新たに生まれ変わると考えられるため、寿命が延びると言い習わしもあります。

そのため、生前に墓を建てるという行為は、特に縁起が悪いことではありません。

むしろ、仏教徒であれば生前において自分の冥福を祈るということは功徳が高いこととされているくらいです。

近年では、新しくお墓を建立するという人は、6割ほどの割合で生前にお墓を立てるようです。

これは事前に建てておくことで遺族への負担を軽減させたい、自分のお墓は自分で建てたいといった理由がほとんどです。

近頃は、核家族化や墓地不足により、一時的に急激に増加する傾向にあります。

なぜそのようなことになっているのかというと、核家族化によって個人の墓は増加していき、それによって墓地が不足していき自分墓を確保しようという流れの上でそのような問題も抱えています。

また、寿陵のお披露目の際には、祝儀袋を用います。

お墓自体には、遺骨自体が収められてはいませんので不祝儀ではありません。

祝儀袋の表書きは、「建碑祝」や「建立祝」などとしておき、間違えないようにしておきましょう。

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